#6 テニスコートに赤いバラ

あらすじ

モモがシンドブックたちとランニングしていると、きれいなバラ園がありました。バラの香りにうっとりするモモですが、突然後ろからテニスボールが飛んできておしりに直撃。ボールを打ったのはティムをいう少年でした。花を持ってっちゃだめだと泥棒扱いされたモモは、失礼ね!と怒りますが、ティムのテニスのうまさに関心をもちます。教会の鐘が鳴り、去っていくティムを追うと、教会にあるテニスコートの整備をしていました。そこにいたランという女の子に話を聞くと、東部地区チャンピオンとなったジミーがこの町で試合をするために帰ってくるので、彼が好きなバラをみんなで育てたといいます。

ジミーに会うため、みんなで会見が開かれるホテルへ向かうと、ジミーファンの女の子が歓声をあげていました。すごい人気ぶりにびっくり。建物に入ろうとするとガードマンに追い返されてしまいますが、モモとティムは、ピピルにガードマンが気を取られている間に忍び込みます。ジミーはかつてあの教会にいて、あのテニスコートを作ったとティムは言いますが、会見中のジミーはハンバード大学に留学していた、ニースの別荘で過ごした少年時代、などと話していて、どうも様子が変です。会見場に飛び出したモモが話しかけ、そのことを言っても、ジミーは自分は貴族の血を引く名門の出身だ!と声を荒げます。ティムの姿を見ると動揺した様子を見せるのですが…

魔法のプリンセス ミンキーモモ 第6話「テニスコートに赤いバラ」より ©PRODUCTION REED 1982
魔法のプリンセス ミンキーモモ
第6話「テニスコートに赤いバラ」より
©PRODUCTION REED 1982

感想

今回は、昔のアニメでわりとよくある王道パターン的なお話ですw

ジミーは隣町の農家の出身で貧しく、テニスコートを使うお金もないため、この教会でテニスコートを自ら作り、血のにじむような猛練習の末、東部地区チャンピオンとなるまでの実力を身につけ、ついにこの次の試合に勝てば全国チャンピオンという状況に。

そこまでは本人の努力で成し遂げてきたわけですが、勝ち進めていくうち、貧しい出自を隠したくなってしまったようです。自らを貴族の血を引いているなどと偽ってしまうと、邪魔になるのは昔の自分を知っているかつての仲間。ティム、ラン、リン、そして彼らに自分の話を聞いてしまったピンク髪の女の子。

よし……邪魔者は消さねばならぬ……

…などという黒い展開にはなりませんが!w

ライバルのトンガも、ジミーに「図体がでかいだけ」などとバカにされたので、彼は彼でジミーの過去を調べ上げたのでしょう。ジミーのウソは、なんだかんだ言っても底が浅いので、そりゃあ調べられればすぐにバレてしまいます。おまけに恨みを買うような発言までしてしまっていますし、経歴詐称をするにはツメが甘いとww

テニスの実力は間違いないとしても、そういう意味では根っからの悪人にはなりきれなかったのでしょう。

今回モモが変身したのはテニスプレイヤー。ジミーにも打ち返せないミラクルサーブを突きつけ、自信喪失しかけたところに、トンガによって経歴詐称が暴かれてしまい、ジミーの取り巻きたちの心も離れていきます。なぜか関西弁を話すファンの女の子w

その取り巻きたちも、結局はジミーのテニスの実力などよりも、「貴族出身」というブランドを好きだっただけなのでしょう。

そんなことがあって、ジミーはお酒に逃げてしまいます。あやしいおねえさんの看板がちらほらある路地を歩いてたりしますがw

失意のジミーが向かったのは教会でした。

その教会のテニスコートで、さっきのミラクルサーブを放ったプレイヤー・モモとばったり再会。モモを相手に練習を続け、自信も、かつての仲間からの信頼も取り戻し、自ら消し去ろうとした過去としっかり向かい合うことになるのでした。

前回「ワルガキ王子大混戦」は、わりとギャグテイストの作風でしたが、今回は比較的シリアスな物語です。そして、上では「王道パターン」と表現しましたが、初期の空モモの作風って、63話まですべて観たうえで改めて観ると、やや違和感を覚えるところもあります。このレビューでも何度か書いていますが、それがまさに試行錯誤ということだったのかもしれません。首藤さんは、あえて(スポンサーからの口出しが入らないように)最初の2カ月ほどは無難なお話を並べておいたともコラムで書かれていましたから、その「無難なお話感」が今回はちょっと強かった気もします。

今回の変身では、「アダルトタッチで」という台詞が初登場しました。前回はその部分はなかったものの、「スチュワーデスになれー」と言っていたのに、今回は「テニスプレイヤー」しか言いません。まだそのあたりの設定がしっかり固まってなかったのかもしれませんね。

この「アダルト」という響きについては、現在ではちょっと妙な印象を受けてしまうかもしれませんが、完全に「child」に対する「adult」であって、それ以上の意味はなかったようです。首藤さんのコラムを引用しておきます。

変身の呪文「ピピルマピピルマ……」は、主題歌の作詞家がつけたと記憶している。最後の「アダルトタッチで○○になーれ」の部分は、僕が作った。
当時のアダルトという言葉は、「大人っぽい」と言う意味で、今のようにAV(アダルトビデオ)が普及していない時代である。
アダルトに、いやらしいという意味は、まったくなかった。

余談ですが、引用中の「主題歌の作詞家」とは、荒木とよひささんのことです。荒木さんはご存知の方も多いかもしれませんが、テレサ・テンさんの「時の流れに身をまかせ」など、大ヒット曲を多数作詞された方です。さらに主題歌を作曲された佐々木勉さんは、榊原郁恵さんの「夏のお嬢さん」など、誰もが知っているヒット曲を多数手がけられました(1985年に急逝)。稀代のヒットメーカーがふたりも関わって誕生した名曲だったんですね。

そして今回は、わたしの大好きなアニメ「赤毛のアン」で、主人公のアン・シャーリーの声を演じた声優・山田栄子さんが、なんとジミー役で登場しています。ジミーはどう見ても成人男性なので、男性声優が演じそうなキャラなんですが、さすが山田さん。屈折した部分もある名テニスプレイヤーをしっかり演じ切っていました。

山田さんは「アルプス物語 わたしのアンネット」という、世界名作劇場シリーズの作品で、ルシエンというとても演じるのが難しい男の子(幼なじみの弟に、自分の不注意から一生治らない傷を負わせてしまい、その罪の意識に悩み続けるという役どころ)を見事に演じ切った、すばらしい声優さんです。ミンキーモモの放送当時は「忍者ハットリくん」で、影千代という奇っ怪なネコの役も演じていた頃です。「ごしゅりんたま~」というあの黒猫です。山田さんステキすぎます!w

ということで、今回はわりとあっさりしたレビューになりました。

毎回、力をこめて書き続けていると、時間もかかりますし、息切れしてしまいますので、今後は重要なお話を除いて、2000~3000字くらいを目途に、まったりと書いていきたいと思っています。

ふと気がつけば、前回のレビューから3カ月も空いてしまっていましたw

もう少しテンポよく書いていくつもりだったんですが、ブログを書くのもまとまった時間が必要になるので、なかなか書けない時もあったりするんですね。この間、空モモ全63話をすべて観てしまい、すでに海モモの視聴に入っていたりします。いま改めて6話などを見返すと、すでに懐かしいの境地ですw

ただ、空モモという作品を全部観て、改めてこの作品の面白さや楽しさ、小山茉美さんのステキさなど、はっきり認識しました。ますますミンキーモモという作品を大好きになりました。大好きになったからには、全話レビューはなんとしても書き続けたいと思っています。

更新ペースはあくまで「なるようになるダバ」でいきますがww

これからもよろしくお願いいたします♪

作品情報

基本データ
サブタイトル テニスコートに赤いバラ
初回放送日(東京) 1982年4月22日
おすすめ配信サービス dアニメストア
スタッフ
脚本 鷺山京子
絵コンテ 吉田健次郎
演出 吉田健次郎
作画監督 田中保
原画 富山雄三
小林勝利
声の出演
ミンキーモモ 小山茉美
王様 増岡弘
王妃様(※) 塚田恵美子
パパ 納谷六朗
ママ 土井美加
シンドブック 田ノ中勇
モチャー 木藤玲子
ピピル 三田ゆう子
ジミー 山田栄子
ティム 近藤多佳子
記者 福士秀樹
山田礼子
女の子 阿部きし子
トンガ 岡崎裕美

(※)クレジット上の表記は「王女様」になっています。

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